【7月2日付社説】参院選・若者の投票/当事者意識で責務果たそう

 

 閉塞(へいそく)感が漂う社会を打破していくには、次代を担う若者の力が欠かせない。「政治に関心がない」などと言わず、有権者としての責務を果たしてほしい。

 2016年6月施行の改正公選法で選挙で投票できる年齢が18歳以上に引き下げられ、今回が5回目の国政選挙になる。しかし若者の投票率は低水準が続き、改善されていない。一方、急速に高齢化が進み、高齢層の投票率は高い。このため議員は高齢者の意見を政策に反映させる傾向が強く「シルバー民主主義」とやゆされる。

 ただ新型コロナウイルス禍、物価高で生活が苦しい学生や若者、非正規などの雇用環境で働く若い社会人は多い。何よりこれから子育てや介護、教育などさまざまな課題の当事者となる。政治に関心を寄せ、考えることが不可欠だ。

 政党と候補者は、賃金や所得の拡大、消費税率の削減、出産育児手当の引き上げ、教育の無償化など、若年層の暮らしに関わる公約や政策を訴えており、ホームページや交流サイト(SNS)などで確認できる。未来の日本の行方を左右する重要な世代であることを認識し、各党や候補者の主張、財源の裏付けなどを見極め、貴重な1票を投じてもらいたい。

 昨年10月の衆院選で、県内の年代別投票率は20~24歳が31.83%と最も低く、全体の投票率を大きく押し下げた。一方、高校3年生などの18歳は50.98%に上った。学校で選挙の仕組みを学び、模擬投票などの実践的な主権者教育が行われた成果とみられるが、19歳になると32.94%に低下した。

 就職や進学で環境が変わった19歳の若者らに、家族や学校の友人、職場の同僚などが投票を呼びかけることも大切なことだろう。

 転居しても住民票を地元に残したままで、投票しなかったケースも多いとみられる。学生であっても生活する自治体に住民票を移すのが原則だが、地元に戻れなくとも投票できる不在者投票を検討してはどうか。

 明るい選挙推進協会の調査によると、初めての選挙で投票体験をした人の多くが、次の選挙でも投票する傾向があるという。昨年の衆院選以降に18歳となった若者は今回が初めての国政選挙になる。県や市町村の選管は新有権者への呼びかけを強化し、若年層の投票率改善につなげる必要がある。

 また幼少期に投票に連れて行かれた経験のある若者は、経験のない人より投票率が20ポイント以上高かった。若者の政治離れを防ぐためにも、親が子どもと一緒に投票所に出向き、未来の有権者を育てたい。