【9月23日付社説】県民の健康指標/自分の体を知り改善図ろう

 

 自分の体の状態をしっかり把握し、改善に向けた具体的な行動を実践していくことが大切だ。

 県民の健康づくりの指針となる県の「第2次健康ふくしま21計画」で、具体的な数値目標として盛り込まれている108項目のうち、60項目で目標値の達成率が5割未満にとどまることが分かった。メタボリックシンドロームの該当者・予備群や脂質異常症の減少など生活習慣病の予防につながる項目で達成率が低い。

 本県が健康に関する多くの指標で全国下位にあることなどを受け、県は2016年度から「健康」をテーマに県民運動を展開、減塩やウオーキングをはじめ、家庭、学校、職場などで県民に健康づくりの取り組みを促してきた。しかし現状の達成率を見れば、7年間の運動で状況は改善されていない。

 一方、県が昨年、約1万人の県民を対象に実施した調査では、全体の76%が自分のことを「健康」だと回答している。こうした認識のずれも、食事や運動などの取り組みが進まない要因の一つだ。

 内堀雅雄知事は先日、官民一体の健康づくり推進会議で、健康指標の現状を「やばい」と語り、強い危機感を示した。どうして「やばい」のか、認識を多くの県民で共有することこそが急務だ。県は知事を先頭に、現状の厳しさや、なぜ健康への取り組みが必要なのかを訴え、県民の健康への意識を高めなければならない。

 がん検診の受診率の低さも深刻だ。肺がんや大腸がんは20%台、乳がんや子宮頸(けい)がんの受診率も40%前後にとどまっている。

 2人に1人が一生の間にがんにかかり、3人に1人ががんで亡くなっている。本県でも1984年以降、がんは死因のトップで、毎年、約6千人が亡くなっている。

 早期のがんは自覚症状が出にくく、自分自身で気づくことが難しいが、定期的な検診は早期発見、早期治療につながる。しかし「心配なときはいつでも医療機関を受診できる」「時間がない」「面倒だから」などの理由で、検診を受けない県民が依然として多い。

 西会津町では20年近く前から、平日は仕事などで受診できない町民を対象に「働き盛り健(検)診」を実施している。年に2、3回、日曜日に実施日を設定、町民はがん検診を受けられる。

 同町のがん検診の受診率の高さは県内トップクラスだ。各市町村は先進事例を参考に、受診しやすい環境づくりに努めてほしい。

 健診や検診で体の状態を確認することが健康づくりの第一歩だ。積極的に受診したい。