【只見―磐城】延長１４回裏磐城１死満塁、石井が中前にサヨナラ打を放つ＝あづま球場

　第９０回全国高校野球選手権記念福島大会第７日は１９日、福島市のあづま球場など４球場で４回戦８試合を行い、ベスト８が出そろった。
　第４シード磐城は２―１で只見に延長１４回激闘の末サヨナラ勝ちし４年ぶりにベスト８に名乗り。ノーシード安積は第６シード東日大昌平を８回コールドで退け２年ぶりの準々決勝進出。第５シード小高工は１１―１０で会津との乱打戦を制し６年ぶり、湯本は５―４で福島に逆転勝ちし４年連続の８強入りを果たした。このほか第１・聖光学院と第７・福島商、第８・学法石川各シード校がいずれも２年連続、第３・郡山商が２年ぶりに４回戦を勝ち抜いた。
　大会第８日の２０日は、あづま球場と白河グリーンスタジアム（白河市）で準々決勝４試合を行う。

　“負の連鎖”主砲断つ
　好機はことごとくつぶされた。磐城のベンチは、言いようのない空気だったに違いない。
　毎回のように走者は出した。だが、得点は２回に高橋涼（３年）の左前打で挙げた１点のみ。昨秋、今春の県大会で勝ち抜く一つ要因となった切れ目のない打線は当たりが止まり。苦しい練習で養った鋭い打球は影を潜めた。
　あまりにも悪い流れ。“負の連鎖”を断ち切ったのは先発登板した大黒柱石井智裕（３年）だった。
　延長１４回一死満塁。くしくもサヨナラのチャンスは主砲の打席に。「チャンスで打っていたら延長戦にならずに済んだ。何も考えずにいった」とバットを振り抜いた石井。打球は二遊間を抜け、３時間半を超える熱戦にピリオドを打った。
　遠藤太監督を「ここまで粘られた投手は初めて。想像以上だった」とうならせるほど、１３回途中まで登板した只見の先発長谷川佑樹（２年）を攻めあぐんだ。
　石井は「相手は思っているより力強かった。これから先ももっと苦しくなると思うが、一つずつ確実に頑張る」。甲子園に続く道はさらに険しさを増す。