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揺れるスタンド 劇的な幕切れ、歓喜と落胆
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ナインに熱い声援を送る聖光学院の生徒たち=あづま球場
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強豪同士の白熱した戦いが、強い日差しが照り付けるスタンドを一層熱くした。福島市のあづま球場で23日行われた第90回全国高校野球選手権記念福島大会決勝、聖光学院−郡山商戦は、勝利への執念がぶつかり合い、最後まで勝敗の行方が見えない球史に残る一戦となった。両校の応援団とも、声がかれるまで熱い声援を送り続けた。夢舞台への切符を懸けた戦いは、見るものすべてを興奮と感動で包み込んだ。
ナインと喜びを分かつ聖光生徒
9回裏一死二、三塁、ライトへの犠牲フライで三塁ランナーが生還。「よっしゃー」。劇的なサヨナラ勝ちに聖光学院の応援席で歓喜がはじけた。生徒や保護者らは抱き合い、ハイタッチを繰り返し、熱い応援でつかんだ夢舞台の切符に酔いしれた。
9回表、2つの失策などで同点に追いつかれた。苦しいナインを奮い立たせようと、野球部応援団の佐藤秀和団長(2年)は「同点OK。これから、これから」と、かすれた声を振り絞り声援を送り続けた。
校歌を歌い終えたナインが、充実感あふれる顔つきでスタンドに駆け寄ってくる。グラウンドに立てなかった部員や生徒たちは一斉にフェンスに近づき「おめでとう」「よくやった」と、ナインと喜びを分かち合った。
あきらめないで郡商最高の応援
3点を追う9回表、郡山商の応援団が陣取った3塁側スタンドでは、橋本遼応援団長(3年)が「安積戦の時は2アウトから3点とった。あきらめないで応援しよう」と、げきを飛ばした。
直後、適時打でスコアボードに「2」が刻まれる。たまっていた鬱憤(うっぷん)を晴らすかのようにスタンドが大きく揺れた。「この粘りが郡商野球。まだまだこれから」。逆転を信じエールを送り続けてきた約800人の応援団のボルテージは最高潮に達した。
熱い声援は、最後まで続いた。橋本団長は「あきらめず最高の応援ができた」とグラウンドとスタンドが一体となった“全員野球”に胸を張る。
生徒、保護者らも「よく頑張った」と、54年ぶりに決勝の舞台に進んだナインの健闘に惜しみない拍手を送った。
(2008年7月24日 福島民友・高校野球ニュース) |
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