【磐城―福島商】１０回裏福島商２死満塁、戸巻が左前打を放ちサヨナラ勝ち＝信夫ケ丘球場

　第９１回全国高校野球選手権福島大会第４日は１３日、いわき市のいわきグリーンスタジアムなど５球場で２回戦１２試合を行った。あいづ球場（会津若松市）の第３試合、平工―会津は雨天のため１４日に順延となり、同球場の前半戦は１５日まで延長となった。
　第５シード福島商は、延長１０回の末に磐城との伝統校対決を制した。延長１０回までもつれたあさか開成―若松商の両エースの投げ合いは、あさか開成に軍配。湯本は清陵情報を８回コールドで下し、双葉は１３安打でいわき光洋に勝利。田村は安積黎明を無得点に抑えた。
　大会第５日の１４日はいわきグリーンスタジアムなどで２回戦１２試合を行う。

　劇的サヨナラ　福商打線が終盤奮起
　延長１０回裏、２死満塁の好機で打席に立った福島商の戸巻孝文（３年）は「ここで打たなければ。絶対打つ」と強い気持ちで臨んだ。必死で食らいついた打球が左方向に抜けた瞬間、福島商は歓喜の声に包まれた。
　打席に入る前、菅原裕一監督から「お前に任せる」と声を掛けられた戸巻。大一番でも平常心は忘れなかった。何度も練習してきたように、バットを振る時に目線がぶれないよう足の踏み込み方に気をつけ、振り抜いた。
　ナインから祝福を受けた戸巻は、大役を果たし安堵（あんど）の表情で喜びをかみしめた。