【白河−東日大昌平】３回裏東日大昌平２死２塁、久保が左越え本塁打を放つ。捕手関谷＝あいづ球場

　東日大昌平のエース久保慧太（３年）は自慢の速球で白河打線を７安打に抑える好投。攻撃面でも本塁打を放つなど投打に活躍、チームを４強へと導いた。
　新チーム結成後、吉田幸祐監督から言い渡された「強気」「リズム」「狙って」の３つの「魔法の言葉」が強さの秘訣（ひけつ）という。好調な時の状態を忘れないため、常に意識している言葉だ。
　白河戦では７回１死満塁から押し出しを与え、嫌な雰囲気が漂ったが、マウンドで言葉の書かれた紙を読み直し、気持ちを入れ直すことに成功。後続をピシャリと断った。久保は試合後、「気持ちで勝つことができた」と会心の笑顔を見せた。

　白河、好調の打線不発
　試合終了後、三塁側ベンチにはナインのむせび泣く声が響く。第２シードとして今大会に臨んだ白河の夏は、準々決勝で終わりを告げた。
　自慢の打線につながりが欠け、得点機をものにできなかった。「攻撃が単調になってしまった。自分の責任」と箭内寿之監督。これまで３試合連続２けた安打と絶好調だった打線だが、東日大昌平戦では散発７安打。１点を返した７回、なおも１死満塁と同点の好機を迎えたが、生かすことができなかった。「相手を揺さぶる指示が出せなかった。子どもたちを（勝利に）導きたかった」と名将の目にも涙が浮かぶ。
　試合終了後、応援団から「素晴らしい快進撃をありがとう」と声が上がる。主将千葉竜大（３年）は「この経験は誇りです」と前を向いた。
（２００９年７月２３日　福島民友・高校野球ニュース）