【白河実−光南】最後の打者を三振に抑え試合終了。喜び合う先発富永（右）と捕手菊地＝いわきグリーンスタジアム

　光南の菅波智之監督が「県内屈指の打撃力を持つチーム」と評価する白河実。強力打線を相手に、光南の先発富永祐太（３年）は２失点に抑える好投を見せ、今大会初完投を飾った。秋、春と２大会連続で敗戦を喫している相手だけに「絶対に倒す」と意気込んで臨み、見事に雪辱を果たした。
　初戦以来の登板に「緊張で今朝は早く目覚めてしまった」と笑う。中学時代から高校での活躍が有望視されていたが、慢性的な腰痛などに悩まされ続けてきた。菅波監督は「今投げていることが奇跡的」と、これまでの努力を評価する。
　最後の夏を迎え、「絶対に負けられない」と闘志を燃やす富永。準決勝は、強敵聖光学院が相手だが、「登板したら全力で立ち向かい、必ず勝つ」と気合は十分だ。

　白河実、適時打の鈴木俊、笑顔と涙
　白河実は同じ県南地区の光南の抜け目ない攻撃を抑えきれなかった。
　白河実は２回、左前打で出塁した船津悠（３年）を、犠打で送り１死二塁。「真ん中高めの直球を打った」という鈴木俊行（３年）の中前適時打で１点差にした。５回には八木沼敦（３年）の左前適時打で追い上げムードをつくったが、相手投手に流れを断ち切られた。
　「悔いが残らなかったとは言えない。だけど、楽しくプレーできた」。鈴木は目に涙を浮かべながらも笑顔を見せた。
（２００９年７月２３日　福島民友・高校野球ニュース）