【安達−郡山】９回裏安達２死満塁、根本（中央）に痛恨の押し出し四球を与え、マウンドにうずくまる郡山のエース金沢＝あづま球場

　終盤に猛追した安達が郡山にサヨナラ勝ちした。
　安達は７回、連打と四球で２死満塁、佐藤の２点適時打で同点とした。９回には阿部が敵失で出塁、犠打などで２死三塁とし、２連続四球の後、根本の押し出し四球で決勝点を挙げた。
　郡山は中盤まで主導権を握ったが、６、７回の好機に得点できなかったのが悔やまれる。

「最後に一番のボール」　エース金沢力出し切る
　「勝利の女神」は残酷な幕切れを用意していた。郡山は満塁策からの押し出し四球でサヨナラ負け。エース金沢明知（３年）はマウンドに力なくうずくまるしかなかった。
　九回裏、２死満塁の場面で安達のエース根本正誠（３年）を打席に迎えた。金沢は簡単に追い込んだが、フルカウント。捕手の指示通り外角にカットボールを投げ込んだ。しかし、無情にもボールのコールが球場に響いた。
　こん身の一球を受けた捕手落合純己（２年）は「カットボールは、ずっと三振を奪ってきたボール。最後まで（金沢の）ボールを受けることができて良かった」と目を赤くしながら、金沢にねぎらいの言葉を送った。
　最後の夏は終わってしまったが、力は出し尽くした。「キャッチャーを信頼して最後に一番自信のあるボールを投げた。やれることはやった」。金沢は言い切った。
（２０１０年７月１４日　福島民友・高校野球ニュース）