【福島東―福島商】４回表福島東２死二、三塁、霞が中前打を放ち、先制＝白河グリーンスタジアム

　来春のセンバツ甲子園出場への第２関門となる第６２回秋季東北地区高校野球県大会は１７日、郡山市の開成山球場、白河市の白河グリーンスタジアム、本宮市のしらさわグリーンパーク野球場の３会場で開幕した。
　１回戦７試合を行い、いわき支部第１代表の湯本、相双支部第１代表の小高工が初戦で姿を消した。
　福島東は４回にもぎ取った決勝点を守りきって１―０で福島商に勝ち、県北支部同士の一戦を制して２回戦に進出した。
　県南支部第１代表の白河は若松商と接戦の末、延長１２回に勝ち越して５―３で勝利した。学法福島は湯本に２―１で逆転勝ち。光南は４―０で福島成蹊に快勝。このほか、磐城、安積、東日大昌平が２回戦に駒を進めた。第２日は１８日、開成山球場など４会場で１回戦８試合を行う。

　福島東・霞が殊勲の決勝打
　夏場にけがで苦しんだ男が「ここ一番」で決めた。殊勲の決勝打を放った福島東の７番霞潤一郎（２年）は一塁上で小さめのガッツポーズを決め、謙虚に喜びを表した。
　主導権争いが続いて迎えた４回２死二、三塁。「振り抜くことだけを考えた」。霞は甘めに入ってきた内角寄りの直球を捕らえ、決勝点をもぎ取った。
　７月中旬に右手首を骨折、県北支部予選から復帰した。「（試合に）出たくてしょうがなかった」。グラウンドで活躍する仲間を見ながら焦る気持ちを抑え、黙々と基礎練習に励んだ成果が結果として表れた。
　「いいとこで打った。この勝ち方しかない」。関川博己監督が合格点を出したチームは無失策。加えて、夏の大会を経てエースとしての自覚を増した市川草士（２年）は被安打３の完封を披露した。
　「次もチーム全員で勝ちたい」と霞。投打の歯車がかみ合った勝利は、確かな手応えを得る一戦となったようだ。
（２０１０年９月１８日　福島民友・高校野球ニュース）