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聖光・歳内「福島の励みになれば」 震災越え恩返し
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チームメートに支えられ、2度目の甲子園に臨む聖光学院のエース歳内選手(右上)=郡山市・開成山球場
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歳内投手は昨夏の甲子園でベスト8進出の原動力となり、県民を沸かせた。1年の歳月を経て、震災後に一時主将を経験、精神的にも成長し、福島大会の頂点に立った。
今大会が高校野球で最後の本県での投球だった。父信昭さんは準決勝後、歳内投手に電話で「福島でのプレーはこれで最後だ」と語り掛けた。歳内投手は試合後、「福島のいろんな人たちから応援をもらった。その人たちの前で優勝できて良かった」と胸中を明かした。
兵庫県出身の歳内投手は1歳の時、阪神大震災を経験。そして、東日本大震災。2度にわたって未曽有の災害をもたらした震災を経験しながら、甲子園出場を果たした。震災を乗り越え、マウンドに登るわが子に母美佐子さんは「信じられない」と話し、たくましく成長した姿に目を細めた。
震災発生の3月11日、歳内投手は練習中だった。この時、チーム内で歳内投手が主将に選ばれていた。自分なりに主将とは何か、震災という状況をどうするか、エースとどう両立するか苦悩しながらの3カ月だったという。正主将には小沢宏明選手(3年)が就いたが、歳内投手は「周りに成長させてもらった」と振り返る。「日本一を目指す気持ちはぶれない。自分のプレーで少しでも福島の励みになれば」と話す歳内投手。共に成長した仲間と本県代表としての誇りを胸に甲子園で県民に勇気を与える戦いを見せる決意だ。
(2011年7月29日 福島民友・高校野球ニュース)
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