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● 聖光学院“希望の光” 頂点への道(中) |
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団結力強め切符手に 主将交代制導入し成長
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優勝を決め、喜ぶエース歳内(左)と福田。個性派集団の殻を破り、団結力を増したチームは甲子園への切符を手にした
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センバツ出場を逃した。昨夏の甲子園で強豪を次々と撃破し、8強入りを果たした聖光学院。その原動力となったエース歳内宏明(3年)を擁して臨んだ秋季東北大会準々決勝で、仙台育英に逆転3点本塁打でサヨナラ負け。ここから斎藤智也監督が表現する「個性派集団」の新たなチームづくりが始まった。
「チームを思うやつがいなかった」と斎藤監督は当時を振り返る。「変えるために選手一人一人の可能性を引き出したい」。主将を約1カ月ごとに代える”交代制”の導入を決断した。
主将に指名された一人で、中軸を担う捕手福田瑛史(3年)。「自分にできるのか不安だったが、主将を経験したことで勝手だった自分の中に『人のために』という気持ちが生まれた」。福田自身もチームワークの大切さをさらに痛感した。福田をはじめ、歳内、斉藤侑希、小沢宏明、中村星太のいずれも3年生5人が交代で主将を務め、好循環はチーム全体に広がった。
部員は126人。ベンチ入りの選手だけでなく、もちろん控え選手もいる。現主将小沢は「自分中心の選手が多かったが、いろんな人たちのことを考えて野球することが多くなり、まとまりが生まれた」と話すように団結力が強まった。
そして、東日本大震災、東京電力福島第1原発事故。練習を中断し、選手たちはボランティアに励む時期もあった。「野球をやっていいのか」と悩んだ時期も。しかし、「自分たちができる『野球』を精いっぱいやることが、苦しんでいる人たちへの失礼のない行為」。小沢が代弁するように団結力を増したチームは誠実に野球に打ち込んだ。「被災県として、ふさわしいチーム」。斎藤監督が問い掛けてきた言葉に相応するまで成長した選手たちが頂点を目指す舞台に向かう。
(2011年7月31日 福島民友高校野球特集)
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