【福島商―田島】９回表福島商２死二、三塁、悪原の右前打で送球が乱れる間に二走山川（４）が生還し、逆転。歓喜に包まれる福島商ベンチ＝あいづ球場

　野球は２死から。福島商の９回２死からの逆転劇はナインたちの最後まで諦めない気持ちから生まれた。３点を追い掛ける終盤。７回、８回と１点ずつ返したが、田島の先発星智明（２年）を打ちあぐねていた。９回２死からの攻撃は服部誠也（２年）が右中間を破る三塁打で口火を切った。続く山川昇（１年）は四球を選び出塁。逆転への舞台は整った。
　打席へと向かう主将の悪原卓也（２年）に菅原和希監督は「気持ちで打て」のサイン。悪原は自分の胸をこぶしでたたき気合を入れた。「打つ」。はじき返した打球は一、二塁間を抜けた。同点の三走服部がかえり、盗塁で二進していた山川も頭からホームに突っ込み、逆転に成功した。
　２００８（平成２０）年の秋季県大会第３代表決定戦でも同じ田島から終盤に決勝点を奪い、東北大会への切符をつかんだナイン。「最後まで諦めないのが福島商の野球です」。殊勲の一打を放った悪原は胸を張った。
（２０１１年９月２６日　福島民友・高校野球ニュース）