【浪江―修明】一度は逆転に成功しながら、終盤に修明にリードを許して敗退を喫した浪江ナイン＝いわきグリーンスタジアム

　第９４回全国高校野球選手権福島大会第２日は１４日、福島市のあづま球場など５球場で１回戦１５試合を行った。磐城は延長１０回サヨナラで福島西との接戦を制した。序盤から得点を重ねた修明は８−４で浪江を退けた。郡山北工は喜多方桐桜に６−０の完封勝利。須賀川桐陽は６−５の延長１１回サヨナラで長沼との激戦を制した。第３日の１５日は、あづま球場など５球場で１、２回戦１４試合を行う。

　浪江・加藤主将涙なし　やり遂げた全員野球
　原発事故の影響で本宮市の本宮高にサテライト校を置く浪江は、３年生１０人で今大会に臨んだ。「最後まで浪江ナインとしてやり通した」。主将加藤裕樹の目に涙はなかった。
　本来の母校を離れたサテライト校では、野球部の活動自体がままならない時期があり、昨年、今年と後輩の入部はなし。後輩が入部しても満足な活動ができるとは限らず、加藤は「自分たちの学年で（野球部は）最後だと思っていた」と胸の内を明かした。
　試合後、ナインやＯＢらに胴上げされた加藤は「１０人で続けていた練習が一番の宝物」とひと言。原発事故に振り回されながらも自分たちの野球をやり遂げた浪江が球場を去った。
（２０１２年７月１５日　福島民友・高校野球ニュース）