【喜多方−学法福島】喜多方に惜敗し、唇をかみしめベンチに引き揚げる学法福島ナイン＝あづま球場

　第９４回全国高校野球選手権福島大会第６日は２１日、福島市のあづま球場など６球場で３回戦１６試合を行い、ベスト１６が決まった。第３シード学法福島、第７シード日大東北、第８シード田島の３校が敗れる波乱があった。磐城桜が丘は創部初の４回戦進出を決めた。喜多方は４回に一挙４点を奪い、学法福島を下して３年連続のベスト１６入り。平工は６回に２点を勝ち越し、日大東北に競り勝った。あさか開成は６回の５点を守って田島を下し、９年ぶりの１６強入りを果たした。大会は２２日に移動日を挟み、第７日は２３日にあづま球場など４会場で４回戦８試合を行い、ベスト８が決まる。

　学法福島・谷地「被災地元気づけたかった」
　本格派右腕２人を擁する第３シード学法福島が３回戦で散った。しかし、エース永嶋一太（３年）と、５回途中からリリーフした谷地哉耶（同）の両輪は大器の片りんを見せた。
　先発した永嶋は３回まで４三振を奪う上々の滑り出し。落とし穴は４回。先頭打者から４連打などで一挙４点を背負うと、５回１死から四球を出したところで谷地にマウンドを譲った。「後は任せろ」。谷地は暴投から１点を奪われたが、９回まで無安打に抑えた。
　谷地は南相馬市の原町一中出身。３月下旬に筋肉の炎症で右肩を痛めたが、けがを克服してマウンドに上がった。「被災地の人々を自分のピッチングで元気づけたかった」と谷地。甲子園を懸けた夏のマウンドは６０球で終わったが、１６５センチの小さな投手は力を尽くした。
（２０１２年７月２２日　福島民友・高校野球ニュース）