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聖光エース・岡野、隙与えず 背負った走者4人のみ

聖光エース・岡野、隙与えず 背負った走者4人のみ

【聖光学院―鳥羽】雄たけびを上げる2安打完封の力投を見せた聖光学院のエース岡野=甲子園

 しなやかな腕の振りから投じた直球。鈍い金属音を残し打球が内野に舞う。遊撃手が捕球する姿を見届け、グラブを軽くたたいてマウンドを降りる。聖光学院の勝利に沸くスタンドとナイン。歓喜の輪の中心にいたのは、被安打2で完封勝利を飾ったエース右腕、岡野祐一郎(3年)だった。
 斎藤智也監督は試合前、走力が売りの鳥羽との一戦を「機動力戦」と予想した。だが、岡野が背負った走者は、四球と失策を含めて4人だけ。出塁後も巧みなけん制球で走者をくぎ付けにし、足攻を使う隙を与えなかった。心掛けたのは「コーナーを突く丁寧な投球」。岡野は130キロ台後半の直球に切れ味鋭い変化球を交え、相手打線を翻弄(ほんろう)した。
 出身の石巻と福島−。二つの故郷を背負う岡野は「被災地を勇気づける投球」を体現し、聖光学院にセンバツ初勝利をもたらした。次戦に向けても「自分の投球を貫くだけ」と闘志を燃やす。歴史の扉を開いた右腕の春は、まだ始まったばかりだ。
(2012年3月27日 福島民友・高校野球ニュース)



 

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