光る采配、打撃的中 聖光・京田が狙い定め先制打
届きそうで届かなかった「センバツ」の壁をついに打ち破った。初出場から5年越し、3度目の挑戦で悲願を達成した聖光学院。価値ある「春1勝」を呼び込んだのはナインと指揮官の的確な観察眼だった。
初回に1死満塁の好機を作りながら、後続が凡退して無得点。「先制攻撃」に失敗して流れをつかみ損ねた聖光学院。序盤から打者陣は鳥羽のエース五味拓真(3年)が投じるスライダーに苦しんだ。低めのコースに決まる変化球。この球種をどう攻略するかが勝負の分かれ目となっていた。
斎藤智也監督は中盤、ナインにアドバイスを送る。「スライダーの曲がりっぱなをはじけ」。指揮官が振るったタクトに、ナインは確実に応えた。グラウンド整備後の6回から打者陣はバッターボックスぎりぎり、投手寄りでバットを構え、五味の「横滑りするスライダー」を曲がる前に捕らえる作戦に切り替えた。「その時」を待っていた7番京田世紀(3年)のバットがその球を捕らえた。6回2死二塁。狙い通りに入ってきたスライダーを中前へ。「ジャストミートじゃなかったので、走りながら『抜けろ、抜けろ』でした」。待望の先制打となり、均衡を破ると、7回にも追加点を上げ、勝利の流れを確実なものにした。
(2012年3月27日 福島民友・高校野球ニュース)
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