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最後まで懸命プレー 再三チャンスも流れ戻せず
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【横浜―聖光学院】8回裏聖光学院無死三塁、長井が中前に適時打を放つ=甲子園
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横浜の校歌が流れる中、聖光学院ナインはぐっと唇をかみしめた。涙を袖で拭い、校旗がはためくバックスクリーンを見つめた。「個々の力にレベルの差は感じなかったが、自分たちで(攻撃の)足を引っ張ってしまった」。主将の氏家颯俊(そうしゅん)(3年)ら選手たちは、失策で流れを切ってしまった自分たちのプレーを責めた。
横浜のエース柳裕也(3年)を相手に11安打を放ち、決して打てなかったわけではなかった。
斎藤智也監督が「柳投手が一枚上手だった」と話すように、投球術にはまった。柳はスライダー中心だった1回戦の投球内容から一変し、130キロ後半の直球と100キロ台のカーブによる緩急を駆使して臨んできた。
斎藤監督が「あと1本欲しい時にヒットが出なかった」と悔しさをにじませたように選手も同じ感情をのぞかせた。「スライダーを狙っていたが、捉え切れなかった。打てない球ではなかった」と5番安西聡(3年)は振り返る。同じ球種が続かず、的を絞りにくい展開となり、短打が出ても、後続がことごとく野手の好守に阻まれた。
その中で3番長井涼(3年)の適時打で唯一、本塁を踏んだ4安打の平野雄馬(3年)は「絶対に諦めたくなかった。最後まで諦めない気持ちは出してプレーすることができたと思う」と涙をためながら言葉を紡いだ。
激闘を終えたナインは、夏に「聖地」との再会を誓いながら甲子園を去った。
(2012年3月30日 福島民友・高校野球ニュース)
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