制球乱れ精彩欠く 聖光エース・岡野、壁痛感
当初の作戦通り、コースを厳しく突く直球を投げ込み、カーブで緩急を付けた。横浜が分析していることを見越し、その対策として組み立てた配球だった。しかし、相手打線は一枚上手だった。「全国での自分の力の程度を思い知った」。聖光学院のエース岡野祐一郎(3年)はぼうぜんとした表情で試合を振り返った。
斎藤智也監督が「粘り強い打線」と評する相手打線の前に岡野は精彩を欠き、7―1という点差となって表れた。岡野は「プレッシャーはなかった」と技術面での敗北を強調した。
「相手投手は流れを戻させない強さがあった」と、聖光学院打線に11安打を許しながらも1失点に抑えた横浜のエース柳裕也(3年)を評した。一方、岡野は粘る打線を前に制球が乱れ、甘く入ったシュート回転の直球を狙われた。配球に組み込んだカーブも見極められた。
球威に問題はなかった。横浜は「想像以上」(岡野)の対策と技術を持って立ちはだかった。「公式戦でこれだけ打ち込まれたのは初めて。未熟だった」とあらためて目標の全国制覇への壁の厚さを痛感した。
それでも「コントロールの重要性を再認識した」とレベルアップへのヒントをつかんだ。「全国制覇の目標は変わらない。実力を上げて高いレベルで戦えるようにしたい」。甲子園での雪辱を誓った。
(2012年3月30日 福島民友・高校野球ニュース)
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