【田島―相馬】５回裏田島２死一、二塁、走者一掃のランニング本塁打を放ち、ベンチ前で歓喜のガッツポーズを見せる五十嵐＝開成山球場

　初回に先制を許した田島は３回に逆転、５回には打者一巡の猛攻で大量６点を奪い、粘る相馬を振り切った。
　田島はエース星智が初回に４安打を浴びて先制されたが、３回に小林翔の犠飛と星聖の適時打で逆転。５回は五十嵐の本塁打など長短打で６点を加えた。
　相馬は８安打を放つも好機であと一本が出ず、３得点に終わった。

　ランニングが「1号」
　気迫のヘッドスライディングで本塁を陥れると、真っ黒にしたユニホーム姿で雄たけびを上げた。５回に大会１号となるランニング本塁打を放った田島の１番五十嵐信行（３年）は「人生で初めてのホームランだが、１点につながったことが何よりうれしい」と白い歯を見せた。
　５回２死一、二塁の得点機。五十嵐は左中間を破る大飛球を放つと、５０メートル６秒１０の俊足を飛ばし、ダイヤモンドを駆け抜けた。五十嵐はチーム唯一のスイッチヒッター。１打席目は左打席だったが、本塁打は右打席で放った。仲川康紀監督も「本来は左打者として足を使うタイプだが、今回は右打者でランニング本塁打を出してくれた」と手放しで喜んだ。
　昨年秋の県大会は３位決定戦まで進み、３―４で福島商に惜敗、あと一歩で東北大会出場を逃した。「最後まで油断せずに一球一球を大事にしたい」。五十嵐は今大会の目標とする夏のシード権獲得に向け、気持ちを引き締めた。
（２０１２年５月１８日　福島民友・高校野球ニュース）