【安積―相双福島】８回表安積１死一、三塁、佐藤の左飛で本塁を狙った三走渡辺が憤死。捕手鈴木＝白河グリーンスタジアム

　第６４回春季東北地区高校野球県大会第３日は２０日、郡山市の開成山球場と白河市の白河グリーンスタジアムで１回戦６試合を行った。相双支部第１代表で双葉、原町、相馬農の３校でつくる「相双福島」は０―１で安積に惜敗、昨年秋に続き県大会初勝利を逃し、相双支部代表３校は全て初戦で姿を消した。湯本は９回に１点を勝ち越し、学法福島との接戦を制した。只見は同点で迎えた８回に一挙４点を奪い、田村を退けた。福島西は失策に付け込んで序盤から得点を重ね、１０―２で須賀川に７回コールド勝ち。学法石川はエース松本がいわき光洋打線を１安打に抑え、完封勝ちを収めた。投打の歯車がかみ合った日大東北は３―１で福島北を振り切った。
　第４日の２１日は、開成山球場と白河グリーンスタジアムで２回戦６試合を行う。

　安積うならす懸命なプレー
　ホームベースが遠かった。双葉、原町、相馬農で結成する相双福島は秋に続いて１点差に泣き、県大会初勝利は夏にお預けとなった。
　「１本が出ないと勝てないと実感した。負けるのは悔しい」と主将の西山樹（双葉３年）。県大会出場が目標だった秋とは違う。心から勝利を求めた春だったからこそ、ナインは１点の重みをかみしめた。
　相双支部で優勝し、実力を証明して臨んだ今大会。目標はあくまでも夏のシード権獲得。１回も負けは許されない状況に、自分たちを追い込んだ意気込みが守備に表れた。
　双葉のサテライト校があるいわき市と、原町、相馬農がある南相馬市に分かれ、全体練習は週末に限られるが、ピンチの場面で２併殺と鮮やかな連係プレーで失点を防いだ。８回には犠飛で２点目を狙った安積を本塁で憤死させ、追加点を許さなかった。
（２０１２年５月２１日　福島民友・高校野球ニュース）