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聖光学院、耐えて感動の栄冠 “チーム一丸”原点返る

聖光学院、耐えて感動の栄冠 “チーム一丸”原点返る

原点に立ち返って7年連続の優勝をつかみ、喜びを爆発させる聖光学院ナイン=いわきグリーンスタジアム

 いわき市のいわきグリーンスタジアムで、28日に行われた第95回全国高校野球選手権福島大会決勝。聖光学院は、10年ぶりの王座奪還を狙った日大東北に土壇場まで追い詰められ、延長10回の熱闘の末に5−4のサヨナラ勝ち、7連覇を果たした。「今年は弱い」とまで言われたナインが今大会、数々の逆境をはね返して手にした栄冠。気持ちで戦う不動心を取り戻し、一回り成長した「王者」は再び聖地甲子園に挑む。
 「日本一のチャレンジャー」。ナインは原点に立ち返り、再び「常勝」の名を勝ち取った。優勝をつかむと、過去最多166人となった野球部の仲間が待つ応援スタンドに真っ先に駆け出した。8回に勝利の呼び水となった右中間適時打を放った西村大樹選手(3年)は「チームが一つになったから優勝できた」と笑った。
 大会直前の今月7日、ナインが原点に返る波乱があった。夏のメンバーでつくる「Aチーム」が、2年生とベンチ外の控え選手で構成する「Bチーム」と対戦する恒例の壮行試合だ。Aチームは“2軍”の「Bチーム」に6−7で競り負けた。「(今まで)あり得ない」。横山博英部長(43)が頭を抱えるまさかの敗戦だった。仲間からの“ゲキ”が込められた敗戦。技術だけに走っていたナインは、ベンチ外を含めたチーム全体で戦うことの大切さを思い知らされた。伊藤颯(はやて)主将(3年)は「自分よがりだったチームに、忘れ物を気付かせてくれた」と感謝する。
 「一日でも長く、仲間と野球をしたい」と伊藤主将。聖光ナインはベンチ、スタンド一丸でこの夏を、最も長い夏にするつもりだ。
(2013年7月29日 福島民友・高校野球ニュース)

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