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佐藤、祖父にささげた“フルスイング” 「おまえらしく」守る
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甲子園の舞台で持ち前の思い切りのよさを見せた佐藤選手=甲子園
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敦賀気比のエース岸本淳希投手(3年)の前に聖光学院打線が攻めあぐむ中、体が1回転するほどのフルスイングを貫いた佐藤昌平選手(同)=伊達市。「甲子園で野球できるなんてうらやましいなぁ。おまえらしくやれよ」。胸の中には、大会前に亡くなった祖父哲夫さん=享年(75)=の言葉があった。
佐藤選手は小学校でソフトボールを始め、中学時代は硬式野球チーム「福島ポニー」に所属。ポニーリーグ世界大会に関東選抜チームの一員として出場し、準優勝に貢献した実績を持つ。
佐藤選手を誰よりも応援していたのが野球好きの哲夫さん。練習の送迎や試合観戦を通して佐藤選手の成長を見守り、「プロになれ」と背中を押し続けた。その哲夫さんは昨年12月、センバツ出場の知らせを正式に受ける前に、突然亡くなった。悲しみに暮れた佐藤選手を奮い立たせたのは、「ずっと昌平らしくプレーする姿が見たい」という生前の哲夫さんの言葉だった。
財布に哲夫さんの写真を入れ、挑んだセンバツ。佐藤選手は3試合で10打数4安打5打点の活躍を見せた。「自分の持ち味は思い切りのよいプレー。それだけはじいちゃんに胸を張れるかな」。目に涙をためながらも、晴れやかな表情で振り返った。
(2013年4月1日 福島民友・高校野球ニュース)
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