【清陵情報―いわき海星】９回２死二塁、中飛に打ち取り、雄たけびをあげるいわき海星の大河原＝いわきグリーンスタジアム

　第９６回全国高校野球選手権福島大会第４日は１３日、郡山市の開成山球場など５球場で２回戦計１１試合を行った。いわき海星は清陵情報との投手戦を２―１で制した。郡山商は同地区の郡山東を４―２で下し、光南は磐城農にコールド勝ちした。福島北は９回の土壇場で橘を逆転。第２シード聖光学院は猛打が爆発し、２７―０の５回コールドで岩瀬農を退けた。単独チームに変わり２年連続で初戦を突破した原町は喜多方に２―８で敗れた。第５日の１４日は、開成山球場など５球場で２回戦計１０試合行う。

　大河原、気迫の完投
　いわき海星のエース大河原悠馬（３年）は最後の打者を外野フライに打ち取ると、高々と右腕を突き上げた。９回１０１球、４安打１失点の完投勝利。昨春の選抜大会に２１世紀枠で出場、三塁手として聖地に立った大河原は「最後の夏、あの舞台に戻りたい」と夢の実現への一歩を歩み出した。
　昨夏の大会後、主将を任された大河原は壁にぶつかった。投手として制球に苦しみ、チームとしては勝てない精神的な未熟さを感じたからだ。「チームに貢献して、みんなで勝ちたい」。考え方に変化が生まれた。過去の試合を分析すると、終盤の制球の乱れで逆転を許す自身の弱さに気付いた。
　やみくもに投げるのではなく、配球や腕の振りを意識し、投げ勝つ精神面の強化を今大会の課題に掲げて臨んだ。この試合では１点リードで迎えた終盤にピンチが続き「逆転される」との考えが脳裏をよぎったが、仲間から「思いっきり投げろ」と鼓舞され、吹っ切れた。
　昨春の甲子園で敗退した後、若林亨監督と「甲子園に戻ってこよう」と約束した。「支えてくれた人に甲子園出場という形で恩返ししたい」。大河原はノーシードからの頂点取りを狙う。
（２０１４年７月１４日　福島民友・高校野球ニュース）