【ふたば未来―南会津】２回裏ふたば未来１死三塁、鈴木が中前適時打を放つ。捕手馬場那＝開成山球場

　夏の甲子園出場を懸けた第９７回全国高校野球選手権福島大会第２日は１０日、福島市のあづま球場など５球場で１、２回戦１３試合を行った。新加盟のふたば未来は７回に８点を奪われ、南会津に１―１２のコールド負けを喫し、初陣を飾ることができなかった。南会津は２年連続の初戦突破。福島明成は４―３で学法福島との県北勢対決に競り勝った。ザベリオは７―３であさか開成を破り、創部４年目で初白星。小野は７―６の９回サヨナラで原町との死闘を制した。小高工は福島北に６―３で逆転勝ちした。第３日の１１日はあづま球場など５球場で１、２回戦１１試合を行う。

　チーム初打点の鈴木「やっぱり野球は楽しい」
　初の公式戦に臨んだふたば未来。チーム初となる打点を挙げたのは７番に座った鈴木勝也（１年）だった。「とにかくバットを振ろうと思った。打った瞬間は驚いたが、気持ちが良かった」。トレードマークの髪形「マッシュルームカット」から付いたあだ名は「マッシュ」。仲間から慕われるムードメーカーは、コールド負けにも晴れやかだった。
　「ベルトより高い位置に来たボールを狙え」。打席に立つ直前に指示を受けた鈴木。迷わずにバットを振り、高めの直球を中前にはじき返した。
　初得点も実らずチームはコールド負けを喫した。ふたば未来が初めて迎えた夏は９回をまたずに幕を閉じた。それでも鈴木は「まだ来年、再来年がある」と前向きに捉えた。
　小学校で軟式野球をやっていたが、中学校ではバドミントン部に所属。「もう一度野球がやりたい」と再び野球で汗を流すことを決めたという。「レベルが違った。軟式と感覚が違うが、やっぱり野球は楽しい」とすがすがしかった。「次は夏１勝を」。新たな挑戦が始まった。
（２０１５年７月１１日　福島民友・高校野球ニュース）