【いわき光洋−白河実】初戦敗退に肩を落とすいわき光洋ナイン＝いわきグリーンスタジアム

　夏の甲子園出場を懸けた第９７回全国高校野球選手権福島大会第４日は１２日、福島市のあづま球場など５球場で２回戦１１試合を行った。優勝候補の一角の第３シードいわき光洋は４−６で白河実に敗れ、初戦で涙をのんだ。第２シード日大東北はいわき総合、第４シード磐城は磐城農と対戦し、いずれも１０−０の５回コールド勝ちで好スタートを切った。第７シード光南は喜多方桐桜に６回コールド勝ち。本宮は９回に３点を挙げ、５−４の逆転サヨナラで福島南との県北勢対決を制した。二本松工は初回に奪った１点を守りきり、１−０で安達東・川俣に辛勝。尚志は４−２で只見に競り勝った。

　無情の結末、９回満塁の好機逸す
　「実感がわかない」。いわき光洋の渡辺純監督のひと言が、一発勝負の夏の怖さを物語っていた。同点で迎えた９回表に２点を失った。「ミスを恐れずにやっていこう」。ベンチから声援を送っていた草野太志（３年）が、マウンドに集まり下を向くナインに駆け寄り、主将らしい言葉で鼓舞した。９回裏２死と追い込まれても、草野は勝利を信じ、声を張り上げた。その思いに応えるかのようにチームは連打などで満塁の好機をつくった。だが結末は無情だった。仲間の期待を背に打席に向かった主砲西巻啓汰（同）が打ち取られ、選手たちの熱い夏が幕を閉じた。
　ナインが泣き崩れる中、「後輩に涙を流す姿を見せたくない」と草野は涙をこらえた。「悔いが残る結果になってしまったがよく戦ってくれた」。渡辺監督は勝利への執念を見せた選手をたたえた。
（２０１５年７月１４日　福島民友・高校野球ニュース）