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● 日本一への挑戦 聖光学院9年連続の夏(中) |
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決勝で日大東北との接戦を制し、完投したエース森久保
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昨夏、甲子園に臨む聖光学院の練習。グラウンドには、打撃投手として主力を相手に黙々と投げ込む当時2年生だった森久保翔也(3年)の姿があった。1年秋からベンチ入りした逸材は、急成長を遂げた同級生の今泉慶太(3年)に福島大会で背番号を譲り、裏方に回っていた。「自分を買いかぶり、ピンチに弱かった」。斎藤智也監督は、周囲から高い素質を認められながらも、伸び悩んだ森久保を評した。
それから約1年。エースナンバーを背負った森久保が準決勝に続いて決勝も1人でマウンドに立ち続けた。聖光学院で準決勝、決勝を連続で完投したのは甲子園で強豪・日大三(東京)を破った2012(平成24)年のエース岡野祐一郎(青学大3年)以来だったが、「疲れはなかった」と言ってのけた。
そこには、努力を積み重ねた自負があった。冬場は連日のように雪上で打撃投手を務め、打者との駆け引きや勝負勘に磨きを掛け、6月は連投を想定して短距離のダッシュと20球の投球練習を交互に繰り返した。最速141キロの直球に加え、右打者にスライダー、左打者にシンカーを効果的に操る。走者を背負っても動じない精神力。試合を重ねるごとにエースの自覚が芽生えた。
今大会2試合に登板、6回無失点の今泉もまた「必死に投げている森久保に刺激を受けた。自分もたくましくなりたい」と闘志を駆り立てた。切磋琢磨(せっさたくま)しながら互いを高める2人の右腕が上位進出への原動力となる。
(2015年7月29日 福島民友・高校野球特集)
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