リステル、競技普及に力 フリースタイルスキーの“聖地”
女子モーグルの上村愛子選手(34)が悲願のメダルを懸けて決勝に進み、ソチ冬季五輪での熱戦に注目が集まるフリースタイルスキー。この競技の国際大会が数多く開かれ、「聖地」と呼ばれるのが猪苗代町のホテルリステル猪苗代だ。
創業者の鈴木長治さん(80)は約30年かけてマイナーだった競技の普及と選手養成を後押ししてきた。ホテルは東日本大震災後の風評被害にも耐え抜いた。「フリースタイルはわが子のようなもの」と鈴木さん。「4年に1度の舞台に、日本の選手が再び立つのを見るのは喜びを感じる。決勝は社員たちと一緒にソチにエールを送りたい」と目を細めた。
きっかけは1984(昭和59)年、テレビで流れたニュースだった。「あんな風に飛べたら気持ちいいだろうな」。山の尾根が迫るホテル裏に、長いコースのスキー場を建設するのは難しいと諦めていたが、この競技なら短い距離で済む。すぐに計画を進め、2年後にコブ斜面やジャンプ台を備えたスキー場をオープンした。
国際スキー連盟公認コースに承認され、88年に日本初のワールドカップを開催。同時にチームリステルを結成し、選手育成に取り組んできた。
社員の星野純子選手(24)も登場し、決勝には進めなかったが、2回目の予選に希望をつないだ。ジュニアチームOBの男子モーグルの遠藤尚選手(23)は金メダルが目標。これでジュニアも含め、育てた五輪選手は6人になった。
(2014年2月8日 福島民友ニュース)
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