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祖父と縁、瀬戸さんが小塚選手にエール 満州で競技仲間

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満州のスケートリンクで小塚光彦さん(右)と写真に納まる瀬戸さん(左)
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日本時間の13日午前に開幕するバンクーバー冬季五輪。福島市の瀬戸初子さん(88)は、フィギュアスケート男子に出場する小塚崇彦選手(トヨタ自動車)に熱い視線を注ぐ。瀬戸さんは戦前、旧満州(現中国東北部)で、崇彦選手の祖父光彦さん(94)=名古屋市=と一緒にフィギュアスケートに情熱を注いだ。旧友の孫が五輪に出場することを知り、崇彦選手に寄せ書きをした「日の丸」を贈り、大舞台での活躍を祈る。約70年ぶりに光彦さんとの親交が復活し、「日本の第一人者の孫として、素晴らしい演技を」と崇彦選手にエールを送っている。
「はっちゃん」。7日夕、瀬戸さん宅にかかってきた電話口から懐かしい光彦さんの声。瀬戸さんは、フィギュアに情熱を傾けた少女時代を思い出し、涙が止まらなかった。
相馬市生まれの瀬戸さんは10歳の時、満州で鉄道関係の仕事をしていた父の元に家族で引っ越し、奉天の高等女学校でフィギュアを始めた。周辺の学校でフィギュアの講師もするようになると、満州国の広報や記録を担当していた光彦さんと知り合った。仕事の傍ら、フィギュア選手として活躍していた光彦さんは、瀬戸さんと大会や練習などで一緒になる機会が増え、親交を深めた。「(光彦さんは)スケートの技術が抜群で、『いつか子や孫を五輪選手に育てたい』と夢を話していた」という。
瀬戸さんは帰国後の光彦さんの消息や、嗣彦さんの五輪出場は知らなかったが、最近テレビなどで崇彦選手が取り上げられ、「もしかしたら光彦さんの孫では」と考えるようになった。昨年11月、思い切って日本スケート連盟に手紙や昔の写真、満州で一緒に競技をした仲間の名前などを書いた日の丸を贈った。
それらは崇彦選手の元に届けられ、昨年暮れの全日本選手権の会場に掲げられた。
その後、同大会で五輪切符を手にした崇彦選手からお礼の電話があった。瀬戸さんは「(五輪では)平常心で自信を持って跳びなさい」と激励したという。
光彦さんと旧交を温めた瀬戸さんは「当時の自分たちの夢を崇彦さんがかなえてくれた。日本からも届くよう応援したい」。五輪会場に掲げられる日の丸にエールを託した。
(2010年2月13日 福島民友ニュース)
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