「平昌五輪」9日開幕 男子モーグル・遠藤、県勢1番手で登場

 
公式練習で笑顔を見せる遠藤(中央)=8日午後0時30分ごろ

 第23回冬季オリンピック平昌大会は9日午後8時(日本時間同)から平昌(ピョンチャン)五輪スタジアムで開会式が行われ、開幕する。

 遠藤、集大成へ静かに闘志

 県勢最多となる3度目の五輪。フリースタイルスキー男子モーグルに出場する遠藤尚(27)=忍建設、猪苗代高卒=は、度重なる大けがを克服してきた。「競技人生の集大成」と位置付ける大舞台で、悲願の金メダルを目指す。

 4日に韓国入りした遠藤。予選前日の8日、モーグル会場の平昌フェニックススノーパークで公式練習に臨んだ。「(コブが)高く、とがっていて板を取られる」

 感触を確かめるように時折コースを外れてコブやエア台の傾斜を時間をかけて観察した。他選手が練習を切り上げる中、ゼッケン5番はぎりぎりまで調整していた。「こっちに来てから納得いくまで滑っている」と見守るチームスタッフの表情にも期待を感じさせる。

 遠藤は予選で、大技のダブルフルツイスト(伸身後方1回転2回ひねり)を使わず、確実に得点を取りにいく考えを口にした。「かなりいい状態。落ち着いて臨めている」と話す一方で「怖さや不安もある」と正直な心境も吐露。自分を鼓舞するように「必ず金メダルを取りにいく」と意気込んで15位に終わったソチに比べ、静かに闘志を燃やす。

 15年に腰椎、16年に右肩を折った。昨年6月に平昌での現役引退を表明した。今季はかつてないほど自らを追い込んできた。1月の米ユタ州でのワールドカップでは自己最高の2位。その成果は確かな滑りとなって表れている。ソチから4年。苦難を乗り越えてきた男の最後の挑戦が始まる。

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