「遠藤は持てる力発揮」 フリースタイルスキー高野監督に聞く

 
「五輪は個人競技でもチーム力が求められる」と話す高野氏

 フリースタイルスキー日本選手団監督の高野弥寸志氏(55)=リステル、猪苗代町=に、県勢の遠藤尚(しょう)選手(忍建設、猪苗代高卒)が出場したモーグル競技の総括を聞いた。

 ―念願だったモーグル日本男子勢初のメダルを獲得した。
 「遠藤も堀島行真(中京大)もあえて自分にプレッシャーをかけていて硬かった。銅メダルの原大智(日大)にはそれが無くて伸び伸びやれた。その違いが結果に表れた」

 ―現役引退を表明して臨んだ遠藤選手は10位だった。
 「自分の最後のレースにするにふさわしい準備をして入ってきた。結果だけみると残念。ただ、(決勝1回目)あの滑りはいいものがいっぱい詰まってた。小さなミスも無く、減点のしようがないくらい非常にいい滑りをした。彼の持てるものを発揮してくれた」

 ―本県がモーグルチームの合宿地にもなっていた。
 「福島での合宿が五輪につながった。原は夏にはリステル(猪苗代町)でアルバイトをしながらウオータージャンプを跳んでいた。見えないところで努力してきたことも実を結んだ」

 ―モーグルの得点配分はターン60点、エアー20点、タイム20点。今回のジャッジの傾向はどうだったか。
 「着地で失敗するとジャンプと滑りのつなぎ目としてエアもターンも減点された。また、ジャンプを跳ぶためにスピードをコントロールするのも減点対象。スタートからフィニッシュまで一定の変わらないリズムで滑らないといけなかった。さらに、今回のコースはコブがとがっていたのも特徴。コブに板を当ててはじかれるのも、ことごとく減点された。雪面をなめるように滑らなければならないのが難しかった」

 たかの・やすし 長野県飯綱町出身。高千穂商科大卒。民間企業を経て1986年にリステル入社、現在はスポーツレジャー部支配人。02年ソルトレーク、06年トリノ、10年バンクーバーに指導者として参加。妻美鳥さんは平昌五輪モーグル、エアリアル審判員を務めた。

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