モーグル・星野、8年ぶり夢舞台へ 集大成五輪「悔いなく滑る」

 

 夢舞台に再び立つ―。フリースタイルスキー・モーグル女子の星野純子(32)=リステル、福島県猪苗代町在住=が、北京冬季五輪(2月4日開幕)の出場を確実にした。「悔いなく終われるように準備したい」と、集大成に位置付ける五輪を見据える。

 一時は代表争いで後退した星野だったが、13日に米ユタ州ディアバレーで行われたワールドカップ(W杯)第8戦で今季自己最高の4位に入り逆転した。14日の第9戦で11位となり代表の座を死守。「紆余(うよ)曲折の道のりだったが、ようやくまたスタートに並べた」と感慨深げに話した。

 初出場となった2014年ソチ五輪では予選落ち。「立つだけではなくもっといい滑りをしたかった。次の五輪は出るだけではなく、結果を残す」と雪辱を誓ったが、4年後の平昌(ピョンチャン)五輪では代表を逃していた。

 今季のW杯に参戦する日本勢の女子では最年長だが、一番の武器は向上心。「理想の滑りができていないので(年齢を重ねても)情熱を注げているのだと思う」とモーグル愛は若手をもしのぐ。

 土壇場で代表に滑り込み、「自分のしんを忘れずに滑りたい」と星野。8年ぶりにたどり着いた五輪の舞台で、自身の滑りを完成させるつもりだ。

 リステル高野監督「純子らしく存分に」

 星野純子が所属するチームリステル(猪苗代町)の高野弥寸志(やすし)監督(59)は「最高にうれしいニュース。本番では純子らしい滑りを見せてほしい」と喜んだ。

 15日午前10時ごろ、高野さんに直接、星野から代表入り確実を知らせる連絡が入った。「良かったね」と伝えると、星野から「いろいろお世話になりました」と感謝の言葉を言われたという。高野さんは「ひと安心したような声の雰囲気だった。これまでの純子の苦労がよみがえってきて、私も胸が熱くなった」とかみしめた。

 学生時代まで新潟県在住だった星野。練習のために毎週末、片道4時間かけて猪苗代町のリステルスキーファンタジアに通った。それが縁でホテルリステル猪苗代に就職。「昔から真っすぐな性格で、強い心を持っていた」と高野さんは振り返る。2014年のソチ五輪代表選考の最終レースとなるワールドカップでは3位に入り、土壇場で五輪切符を獲得して「強運の新星」と注目を集めた。

 しかし、16年に左膝前十字靱帯(じんたい)断裂の大けがを負い、平昌(ピョンチャン)五輪の出場は逃した。その後も思うような結果を出せず、「本人は相当苦しんでいた。モーグルのような競技で大けがから復帰するのは並大抵なことではできない。ひたむきに練習してきた結果。若い選手がどんどん出てくる中で、人一倍の練習量をこなしていた」と高野さん。「本人は『これが最後』と決めているので、もう何も失うものなどない。純子の思うままに、思う存分に滑りきってほしい」とエールを送った。

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