「北京冬季パラ」閉幕 3選手、応援背に懸命な滑り

北京冬季パラリンピック最終日(13日)アルペンスキーの男子回転は座位で今大会銅メダル2個の森井大輝(トヨタ自動車)が5位に入った。鈴木猛史(KYB、猪苗代高卒)は1回目で4位につけたが、2回目に途中棄権。藤原哲(コロンビアスポーツウェアジャパン、天栄村)も2回目で途中棄権した。ノルディックスキー距離はリレー2種目があり、日本はオープン10キロで新田佳浩(日立ソリューションズ)と川除大輝(日立ソリューションズJSC)が組んで7位だった。全競技が終了し、46カ国・地域の選手が参加した祭典は閉会式で閉幕した。
藤原「楽しめた」
座位の藤原哲は、最終種目となった回転も2回目で途中棄権。「すごい難しいコースで大変だったが、楽しめた」と初出場の大舞台を振り返った。
1回目こそ22位につけたが、2回目でバランスを崩した。今大会は4種目に出場し、完走は大回転の23位のみと悔しい結果に終わった。それでも41歳の藤原は「もっと練習して、技術的にも上げてまた次に挑みたい」とさらなる成長を誓う。
福島県勢総括
北京冬季パラリンピックでアルペンスキーに出場した県勢3選手はメダル獲得を逃したが、県民の応援を背に懸命な滑りを見せた。
5大会連続出場となった男子座位の鈴木猛史(33)は大回転とスーパー複合で5位入賞。2大会ぶりの金メダルを目指した回転は2回目に転倒で涙をのんだ。全5種目を終え、「応援が力となり、最後まで戦い抜くことができた」と語った。
初出場の2人は途中棄権する選手が相次ぐ北京の難コースに苦戦した。男子座位の藤原哲(41)は4種目中3種目が途中棄権。回転の後には「もっと練習して、次に挑みたい」と意欲を見せた。女子座位の原田紀香(39)は大回転は途中棄権となったが、回転で8位入賞。「多くの方々に支えられ、応援いただき、ここまで来られた」と周囲に感謝した。
次回2026年はイタリアのミラノとコルティナダンペッツォが舞台となる。県障害者スキー協会の小林清美会長(64)は37歳となる鈴木に「心も体も鍛え直し、30代でもう一花咲かせてほしい」とエールを送る。藤原と原田については「北京の経験を発奮材料にしてほしい」と飛躍を期待した。
福島県内から健闘たたえる声
県勢3選手には県内からも健闘をたたえる声が上がった。
最終日、鈴木の回転競技を猪苗代町の自宅で観戦した父保さん(64)は「よく頑張ってくれた。本人は悔しいと思うが私は大満足」とたたえた。
手首のけがやコロナ禍で思うように練習ができず「本人はだいぶ苦しんでいた」と明かす。「それでも5つの競技中、4つで上位完走だった。回転もぎりぎりを攻めた結果なので、よくやったとほめてあげたい」。今後については「まだまだ続けて今回の経験を糧にしてさらに前進してほしい」と語った。
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