平野歩夢「諦めなかった」 北京五輪・ハーフパイプ「金」振り返る

北京冬季五輪スノーボード男子ハーフパイプで金メダルを獲得した平野歩夢(TOKIOインカラミ)が18日、東京都の日本記者クラブで記者会見した。「参考がないし、正解もない」とする斜め軸に縦3回転、横4回転する大技「トリプルコーク1440」を交えたルーティンで初の栄冠をたぐり寄せ「諦めずにやってこられたことが大きかった」と挑戦の軌跡にうなずいた。
昨夏の東京五輪スケートボード男子パークに出場し、夏と冬の「二刀流」が注目された平野。4年間スノーボードに専念してきた名だたるライバルと比べて、雪上にいた時間はわずかだった。「言葉にできない孤独」に押しつぶされそうな時もあったと明かした。
最後の最後に銀メダルに沈んだ平昌(ピョンチャン)大会後「目指す場所にたどり着く」ためにトリプルコーク1440への挑戦を決めたという。金メダルが懸かった北京五輪の決勝3回目。「ほかの人たちが味わえない経験をしてきた」という確かな自信が、会心のルーティンにつながったとした。
圧巻の演技で戴冠し、追われる立場になった。それでも「自分はチャレンジャーなので、守るよりも攻める姿を見せるためにも自分自身と戦い続ける」と風格たっぷりに語った。
また2026年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪については「新しい技にチャレンジしていきたいと思うし、次の冬の五輪も続けていける限りはチャレンジしたい」と意欲を示した。
―金メダルから約1カ月。多くの祝福が寄せられた。
「いろいろな人から『感動した』という声をいただき、ようやく最近実感するようになった。小さいころから夢にしていた舞台で納得いく結果を出せたのは周囲の支えのおかげ」
―東京五輪から半年後の冬季五輪だった。
「自分の中では正直、可能性があると思っていた。実力は劣っていたがそれを上回る、ほかの人たちが味わえない経験を(してきたことを)信じていた」
―決勝2回目の採点が物議となった。3回目に向けて感情をどうコントロールしたのか。
「2回目は今までを上回る滑りや構成、高さ、バランスが整っていたので(結果には)『怒り』が強まったが『もう一回見せたらどうなるのか』という興味もあり、プレッシャーや緊張もなく切り替えられた。不思議だが、自信や冷静さ、怒りが組み合わさってくれた」
―新型コロナウイルス禍での五輪だった。スポーツの力をどうみる。
「挑戦し続ける姿は人間のどこかに響くもので、見ている人に少なからず届いていると思う」
―現在思い描く今後のチャレンジの方向性は。
「目標設定も大事だが、日常の部分で違和感なく求められる人にならないと、大きな舞台でのチャレンジは簡単ではない。日常の過ごし方から始めていき、新たな難易度のチャレンジを今まで以上に求めていく」
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