日大東北が劇的10回、磐城はあと一歩 シード校が3時間超の熱戦

郡山市の開成山球場といわき市のいわきグリーンスタジアムで21日に行われた第98回全国高校野球選手権福島大会準々決勝。総合力でリードする第1シード聖光学院、春季県大会に続く頂点を狙う第2シード光南、4試合37得点の日大東北、ノーシードの学法福島の4校が準決勝に駒を進めた。学法福島の4強入りは1961(昭和36)年以来、55年ぶり。
準決勝は23日、開成山球場で行われる。聖光学院―日大東北の第1試合が午前10時、学法福島―光南の第2試合が午後0時30分開始予定。決勝は開成山球場で24日午前11時から行われる。
代走・小島が一瞬の隙逃さず
日大東北と磐城のシード校同士の意地がぶつかり、逆転に次ぐ逆転で3時間を超えた熱戦の末に、劇的な幕切れが待っていた。延長10回、日大東北の小島陽介(3年)は、暴投の一瞬の隙を見逃さず、三塁から本塁に突入し生還。「最高だった」と土壇場で勝ち取った勝利を喜び、甲子園出場へ夢をつなげた。
代打の皆川陸(同)が振り逃げで出塁し、犠打で二塁まで進むと、中村猛安監督が動いた。「思い切りがいい」という小島を代走に送り、勝負をかけた。
変化球がショートバウンドする相手投手の投球の隙を突き、塁を狙う作戦だった。敵失などを絡めて三塁まで進んだ小島は、暴投でボールがそれた隙に「いける」と一気に本塁を突き、間一髪のセーフ。本塁ベース付近に駆け寄り喜びを爆発させる日大東北ナインの表情が、試合展開の苦しさを物語っていた。
次戦は決勝への切符を懸け、聖光学院に挑む。夏の福島大会決勝の舞台で3年連続で1点差に泣いた相手。「勝ちに行く。絶対に負けない」。小島は一番長い夏を描くナインの気持ちを、こう代弁する。王者の連覇を阻止し、甲子園出場へとつなげられるか。注目の一戦となる。
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