粘った!信じた!舞った! 成長の聖光学院ナイン、重圧はねのけ

郡山市の開成山球場で24日に行われた全国高校野球選手権福島大会決勝。劣勢を強いられた王者が終盤の驚異的な粘りで試合をひっくり返した。甲子園出場が懸かった一戦を6―5で制した聖光学院。「必ず逆転できる」。苦境に立たされても勝利を疑わず一つ一つのプレーに集中する聖光ナインの精神的な強さが際立った。
チームは昨秋の県大会こそ優勝したが、練習試合では負けが込んでいた。斎藤智也監督から「こんなに負けるチームは見たことがない」とげきが飛び、「このままでは甲子園に行く資格がない」と、王者の選手らしからぬ厳しい言葉も受けたという。
冬場に地道な練習を積んで臨んだ春の県大会だったが、準決勝で敗退。先輩が築いた春連覇の記録は「6」で途絶えた。松本康希主将(3年)は「自分たちのミスで崩れた。あの負けが大きかった」と振り返る。
春以降、野球に取り組む姿勢について選手で話し合いを繰り返した。「全力疾走する」「凡打しても下を向かない」。意識すれば誰でもできることを徹底し、夏は挑戦者の立場で戦うことを確認した。
迎えた決勝の8回表。2点を奪われ再びリードを許した。なおも1死一、二塁のピンチが続く中、マウンドに集まった内野陣は「次のプレー、次のプレー。粘り強くいこう」と声を掛け合った。たくましく成長したナインの姿に「大丈夫。逆転できる」と松本主将は確信した。直後の遊撃の瀬川航騎選手(2年)の好捕で切り抜け、8回裏の鮮やかな逆転劇につなげた。
「一試合一試合に集中してやり切れた」。主将の力強い言葉に象徴されるように、連覇の重圧をはねのけたナインが、戦後最多となる夏の甲子園10年連続出場の偉業を成し遂げた。
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