努力の男・磯辺、連日の殊勲打 8回裏、逆転機「自分を信じた」

もし野球の神様がいるのならば、ひたむきに努力を続けてきた男を見続けてきたのだろう。前日の準決勝に続き、決勝の舞台でも聖光学院の磯辺伶也(3年)が輝きを放った。
同点に追い付いた8回裏、なおも2死一、二塁と絶好の舞台で磯辺の出番は回ってきた。前日に3点本塁打を放った時と同じように前の打者松本康希(同)は四球。この場面で自分は何ができるか。「試されている」と磯辺は感じたという。
「絶対にいける」と打席で考えたことは前日の場面と同じだった。「自分を信じるだけ」。初球、内角のスライダーを振り抜くと、打球は右中間を破っていった。自分が打ったこと以上に、仲間が喜んでいる姿を見られたことがうれしかった。
昨秋の県大会でメンバーに入れなかった悔しさは、今も鮮明に覚えている。以来、夜遅くまでバットをひたすら振り続ける生活を送る。「一番練習してきた自負がある」と磯辺。皮が分厚くなった手のひらがそれを物語っている。
いわき市出身で、高校では寮生活を送る磯辺。努力の裏には家族への感謝がある。「親は汗水流して仕事をし、僕を聖光に行かせてくれている」。恩に報いたいという思いがレギュラーの座をつかむ原動力となり、決勝でも結果を出した。
強豪が集まる甲子園でも目指すはもちろん日本一。ただ、目標はそれだけではない。「親に成長した姿を見せたい」。強い決意を胸に聖地に乗り込む。
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