天国の母へ届ける...恩返しの『勝利』 会津・山内が全力プレー

 
亡き母親に勝利を届けようと、全力プレーをする会津の山内選手

 母に勝利を届けたい―。14日に会津若松市のあいづ球場で行われた第101回全国高校野球選手権福島大会2回戦。会津の左翼手山内直輝選手(3年)は亡き母親に全力プレーを誓って試合に臨み、チームの勝利に貢献した。支えてくれた天国の母親への恩返しの思いを胸に、今大会を戦う。

 打席で力強くバットを振り抜き2安打、1打点、2得点。背番号7が躍動した。「母親が観戦に来た中学校最後の大会で勝利したとき、喜んでくれてうれしかったので」。躍動の裏には、また母親に喜んでもらいたいという思いがあった。

 高校1年の3月、母親の良枝さんが病気で亡くなった。「やりたいことがあるなら頑張って」。野球をすることを応援してくれ、朝早くから弁当を作ってくれるなど、「陰で支えてくれる存在」だった。母親が亡くなってからは父親に面倒をかけないようにと、汚れた練習着などを自分で洗濯。父と2人のきょうだい力を合わせてきた。

 この日の朝は仏壇に手を合わせて「自分のできることを精いっぱいやってくるから」と報告。その言葉通り、好機で適時打を放ったり、三塁走者として後続打者の犠飛で本塁に生還したり。全力プレーで、チームのコールド勝ちに貢献した。

 「次の試合に向けていい流れができた。悔いなく自分が納得いくプレーをし、支えてくれた母親に恩返しができたら」。チームのため、天国の母親に笑顔で喜んでもらうため、山内選手は白球を追う。

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