昨年準優勝の福島商...『一球』に泣く 投げ抜いたエース・大内

 
【福島商―郡山】試合終了後、ベンチ前でうなだれる福島商ナイン=あいづ球場

 郡山が1点を死守し、福島商との投手戦を1―0で制した。先発投手の投げ合いとなった試合は5回まで互いに無得点。しかし、郡山は6回、この回先頭の2番角田が本塁打で先制。先発玉置は三塁を踏ませぬ投球で、福島商に好機を与えなかった。福島商はエース大内が1失点と好投したが、打線が振るわなかった。

 昨年の準優勝校、福島商の夏が終わった。「野球の神様に見放されてしまった」。6回に浴びた1本の本塁打。最後まで勝利を信じて好投したエース大内良真(3年)が、一球に泣いた。

 5回までスコアボードに「0」が並ぶ投手戦。6回、その均衡が破れる。郡山の2番打者角田慧(同)が放った打球は空高く舞い上がり、大内の「どうか捕ってくれ」の思いも届かず、そのまま右スタンドに吸い込まれた。

 大内は、昨年の聖光学院との決勝でも登板したが、5回6失点で降板。一球の重みを痛感し、雪辱の気持ちで臨んだのがこの大会だった。「また同じミスをしてしまった」。角田に投じた球は真ん中寄りに入ったスライダー。決して失投ではなかったが、春の支部予選で聖光学院を破り「今年は1強じゃない」と勢いづいていただけに悔しさが込み上げた。

 本塁打の後、捕手安斎海人(同)はマウンドに駆け寄り、「ごめん」と声を掛けた。「自分が要求した球。大内は悪くない」と最後まで仲間をかばった安斎。試合後、静まりかえった投球練習場には、互いに抱き合い涙を流す2人の姿があった。

 【7月23日の試合結果】夏の全国高校野球福島大会・第10日

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