会津北嶺「5点」...夢見た時間 強豪・いわき光洋相手に充実感

 
【会津北嶺―いわき光洋】1回裏会津北嶺2死二塁、鈴木泰の左前打で二走後藤が生還。夏の公式戦初得点を挙げる=白河グリーンスタジアム

 いわき光洋は15安打と打線がつながり、逆転勝ちした。同点で迎えた5回は先頭の松本が死球で出塁すると犠打で進め、和田の左前打で1死一、三塁。続く川島が2点適時打を放ち勝ち越しに成功した。会津北嶺は初回以降、本塁が遠かった。

 創部3年目の会津北嶺が夏の公式戦で初安打と初得点を記録し、確かな成長の証しを刻んだ。強豪のいわき光洋相手に一時4点をリードしたが8回コールドで敗退。しかし、ナインの表情にはどこか充実感が漂っていた。

 若松一高時代以来16年ぶりに野球部が復活したのは2年前の4月。最初の練習に集まったのは皆川将輝、鈴木泰樹、福地大介の3人だけだった。少しずつ部員を増やし、助っ人も借りて出場した初めての夏は日大東北に0―39と大敗。昨年も無安打無得点で敗れた。

 ナインは3年目の夏に向け、1日1000スイング以上をノルマにバットを振り込んだ。待望の瞬間は試合開始早々に訪れた。初回2死二塁で4番鈴木泰樹が左前に適時打。夏の公式戦初安打、初得点で3年生が意地を見せれば、続く満塁の場面では福地剛(1年)の三塁打も飛び出し、一気に逆転に成功した。

 「初安打を3年生で出せて良かった」と話す主将の皆川も6回に左前打を放ち好機を演出。少しでも流れを引き寄せようと必死に声を出すベンチは最後まで活気にあふれた。

 篠原良監督はチームの成長ぶりに目を細めながら、「3学年そろって初めての出場。1歩目を踏み出せた」とチームの将来を見据えた。皆川は「後輩は俺たちの分まで戦って夏の勝利を挙げてほしい」と期待を込めた。

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