福島成蹊エース・松本...制球『キラリ』 清陵情報を8回無失点
福島成蹊が四死球を得点に結びつける試合巧者ぶりを発揮した。初回は捕逸と押し出し四球で2点先制。中盤は好機を生かせない場面が続いたが、9回は正木と井浦の適時打で引き離した。清陵情報は11四死球3失策と守備が乱れた。
福島成蹊のエース松本元気(3年)は冷静なプレートさばきを見せ、8回無失点の投球で試合をつくった。
初戦の2回戦に続き、松本は先発のマウンドに上がった。「ここぞという場面で制球が良かった」と振り返るように、走者をためた前回の登板からきっちりと修正した。
追い込んでから丁寧に直球でコーナーを突き、清陵情報打線を打ち取った。マウンドを託した金子淳監督は「試合の流れを読み、ギアを上げることができるようになった」とたたえた。
昨年秋の県大会は背番号「10」を付けていた。二枚看板の一人として県準優勝と東北大会初出場の原動力となった。それでも、自己評価は厳しかった。
「自分には鋭い変化球がない。できることでカバーしよう」。制球を磨くために下半身を強化。投球の間や腕の出し方を変えるなど打者のタイミングを外す技術の向上に取り組んできた。
「マイペースで緊張しているところを見たことがない」と仲間は評する。感情を表に出すタイプではないが、松本の言葉には力があった。「個々の力があるチームではないが、負けたくない」