平工主将・服部、友との対戦...『遠い夏』 野球を続けた原動力

 
主将としてナインを引っ張った平工の捕手服部=いわきグリーンスタジアム

 25日に行われた福島夏季高校野球大会3回戦。平工を主将として引っ張ってきた服部太祐(3年)は、別々の高校で切磋琢磨(せっさたくま)してきた友との対戦をかなえられないまま、高校最後の大会を終えた。

 植田中野球部3年の時に全国大会を経験した。その時にチームメートだったのが、磐城の主将を務める岩間涼星(同)だった。別々の高校に進み、昨秋からはともに主将だけでなく4番と捕手を担うようになった。

 1月、昨秋の県大会と東北大会で快進撃を見せた磐城は、選抜大会の21世紀枠に選ばれた。高校でも共に成長してきたと感じていた岩間の存在が遠のく気がした。素直に喜べず、「磐城が甲子園で戦う姿は見たくなかった」と悔しさを野球ノートに書きつづった。

 しかし、その悔しさが野球を続ける原動力となった。「夏は(甲子園に出る)磐城を必ず倒す」。そう決めて冬場の練習に打ち込んだ。

 3回戦の相手は同じいわき勢のいわき海星。序盤にリードしたが、逆転で敗れ、磐城との対戦を前に服部の夏は終わった。

 不思議と悔しさはないという。目標でもあった岩間との対戦は実現しなかったが、全力は出し切ったからだ。「岩間の活躍する姿を励みにこれからも野球を続けたい」。服部はそう言ってすがすがしく夏を終えた。

 【7月25日の試合結果】福島2020夏季高校野球大会・第5日

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