相馬東、初戦で涙 「最後の夏」に幕、初シードの重圧
相馬東"最後の夏"が幕を閉じた。2003(平成15)年の創部以来、初のシード校として臨んだ初戦で敗退。それでも渡部瑛士主将(3年)は「最後まで楽しめた」とチームのモットー通りの笑顔を貫いた。
初シードの重圧がミスを呼び、次々と点を失った。好投手笠松航汰(同)は球が高めに浮き守備陣も6失策。一発勝負に泣いた。
現3年生の入学時は先輩が3人のみだった。渡部らは1年時から主力として場数を踏んだ。2年の秋に初めて相双支部予選で優勝すると、県4強に登りつめた。選抜高校野球大会の21世紀枠県候補校にも推薦され、「相馬東旋風」を起こした。
相馬東は来年度、新地と統合するため現校名で挑むのは今夏が最後。最高成績の4回戦進出を目標に掲げたが、かなわなかった。
笠松は「明るく楽しく元気よく」のモットーに引かれて入学した一人だ。「名前は変わってもこのモットーは変わらないでほしい」と笠松。14点を失っても下を向かなかったエースの背中は、後輩の目にきっと焼き付いている。