代打が執念...郡山「劇勝」 不振の底からサヨナラ打

 
【会津北嶺―郡山】9回裏郡山2死一、二塁、伊藤啓の適時打で生還した二走伊東=いわきグリーンスタジアム

 代打の豪快な一振りが炎天下の熱戦に終止符を打った。「うおー!」。サヨナラ勝ちを決める一打を放った郡山の伊藤啓将(3年)は喜びを爆発させた。

 「4番山本(峻平)君に代わりまして、代打伊藤啓将君」。3―3で迎えた9回裏2死一、二塁。勝負が決まる場面で下した菅波智之監督の采配に驚いたのはほかでもない伊藤啓だった。「4番に代わって自分が?」

 この試合、山本の打席で送ったサインがことごとく失敗に終わる不運もあり「迷ったが、伊藤(啓)の一振りに託した」(菅波監督)。春は背番号7だったが、打撃不振などから背番号が2桁の17になった男の奮起に懸けた。

 「自分の一振りで決める」。脳裏にあったのは変化球への対応力を付けるために常に追い込まれている意識で臨んでいた打撃練習。伊藤啓はフルカウントの7球目、内角高めの変化球を右前へはじき返し、観喜の輪に加わった。

 「思いの詰まった見事な一打」と指揮官。「今まで迷惑を掛けてきたが、ほっとした」。背番号17は大一番で復活を印象づけた。

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