けがの平工・蛭田主将...感謝の涙 仲間いたから走れた

 
最終打席で凡打に終わり、悔しさをにじませる平工の主将蛭田=18日、いわきグリーンスタジアム

 「最初で最後の打席。最後まで全力で」。いわき市のいわきグリーンスタジアムで18日に行われた夏の高校野球福島大会4回戦。平工最後の打者として代打で出場した蛭田健仁主将(3年)は、ナインがかなえてくれた約束の舞台に全力疾走で応えた。

 約1カ月前、登校中に自転車で転び、右膝半月板断裂と診断された。主将の戦線離脱という事態に、チームに合言葉が生まれた。「蛭田が帰ってくるまで負けない」。平工は2、3回戦と僅差で勝ち上がり、蛭田も守備のピンチの場面では右足を引きずってマウンドに行き、仲間を鼓舞した。

 この日は第4シード福島商との一戦。先制するなど5回までは互角に渡り合ってみせた。ただ、6回裏に5点を奪われ、7点差で迎えた7回2死二、三塁。「最後は蛭田に託す」。鈴木裕監督から代打を告げられた蛭田は、2球目の直球を強振した。「抜けてくれ」

 無情にも打球は遊撃手から一塁手に送られ、ゲームセット。両軍が整列しようとする中でも蛭田は一塁まで27.431メートルを走り抜いた。「みんなが打席に立たせてくれた」。足を引きずって列に加わる蛭田の頬には、感謝の涙が伝っていた。

 【7月18日の試合結果】夏の全国高校野球福島大会・第9日