相馬、29年ぶり準々決勝進出 先発・吉川122球熱投

 
【尚志―相馬】7回裏、尚志の攻撃を最少失点で切り抜け、捕手武沢とタッチする相馬の先発吉川(左)=いわきグリーンスタジアム

 最上級生のために腕を振った。相馬の先発吉川聖哉(2年)は完投して4安打2失点の好投。「先輩たちと一日でも長く野球がしたい一心だった」。122球の熱投で29年ぶりの準々決勝へと導いた。

 打たせて、取った。9回を投げて奪った三振はわずか「1」。それでも持ち味のカットボールとツーシームを織り交ぜ、ことごとく相手打者のバットの芯を外した。

 「ブルペンで投げている時から調子が良かった」。打者の内角を攻める強気の投球を続けた。最後の打者もこの日の投球を物語るように内野ゴロで仕留め、2試合で19得点と強打の尚志を2失点にまとめてみせた。

 先発は試合2日前に告げられた。吉川は「打たれたらどうしよう」と責任による不安と緊張から授業にさえ集中できなかったという。その緊張から救ってくれたのが3年生からの「楽にいけよ」のひと言だった。

 準決勝に進んだ1992(平成4)年以来の8強だ。「大好きな3年生とまだまだ野球がしたい」。相馬の歴史を"先輩"と一緒に塗り替えていく。

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