【日大東北聖地へ・18年ぶりV(上)】激闘重ね精神力「成長」

 
18年ぶり8度目の頂点に立ち、喜び合う日大東北ナイン。6試合中4試合で逆転し、栄冠を手にした=25日、いわきグリーンスタジアム

 2年ぶりの開催となった第103回全国高校野球選手権福島大会は、聖光学院がトーナメントの途中で姿を消す波乱がある中、第8シード日大東北が18年ぶり8度目の優勝を果たした。下馬評が高くないながらも甲子園への切符をつかんだ日大東北の歩みを振り返る。

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 「まさかここまで来るとは思ってなかった」。宗像忠典監督は決勝を控え自嘲しながら言った。「強豪私立」と呼ばれながら昨秋と今春の県中支部予選は優勝を逃し、いずれの県大会でも成績は振るわなかった。「最弱世代」。ナインにとって屈辱的なレッテルが張られていた。

 昨秋と今春の成績を基に福島大会のシード校を決めるシードポイントは1点差で第8シードに滑り込むと、初戦から試練が待っていた。

 修明に先制を許し、一度は勝ち越したが再び追い付かれ、大会で初めて延長戦に突入。延長10回にもつれ込みながら3―2で辛くも逃げ切った。「苦しかった」。松川侑矢主将(3年)の一言が全てを物語っていた。

 ただ、接戦をくぐり抜けたことでチームは一皮むけた。東日大昌平との準々決勝。エース吉田達也(3年)が5回につかまり3点差の窮地でもナインは冷静だった。直後の六回に相手エースを責め立てて4点を奪う集中力を発揮。ナインが「ほとんどない」と口をそろえる複数点差の逆転劇で第1シードを撃破した。

 準決勝、決勝も初回に2点を先制された。だが、中盤以降に犠打などで好機を広げると着実に得点を積み上げた。今大会は6試合中4試合で先制を許したが逆転で勝ち抜き、「逆転の日大東北」を印象付けた。

 技術だけではなく、精神力が試される夏。最弱と呼ばれた世代が、レッテルを覆し、長く閉ざされていた甲子園への扉をこじ開けて見せた。

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