「打倒聖光」の夢託す 日大東北・奈須、けがに負けず意地の打点

 
昨夏から主力としてチームをけん引した日大東北の奈須優翔=23日、ヨーク開成山スタジアム

 再び聖地に立つことはできなかった。郡山市のヨーク開成山スタジアムで23日に行われた夏の高校野球福島大会準々決勝。18年ぶりに頂点に立った昨夏も出場し、今チームでは主力として日大東北をけん引する奈須優翔(ゆうと)(3年)は試合後、悔しさをこらえることはできず、グラウンドで泣き崩れた。

 元々は内野手だったが、1年生の秋に捕手に転向。昨夏の大会では2年生ながら投手をリードし、甲子園出場に貢献した。しかし全国の壁は厚く、初戦の九回に三振を喫して最後の打者となった。「3年生の夏を自分の手で終わらせてしまった」。新チームからは副主将を務め、連覇を目指す戦いが始まった。

 しかし2年生の冬にヘルニアなどを発症。今夏も治療をしながらの出場となった。この日も左足にしびれを感じながらも、捕手として六回途中まで投手をけん引。九回は1死満塁の好機に犠飛で1点を返し、甲子園経験者としての意地を見せた。

 対戦相手の聖光学院は2013年から夏の大会で一度も勝てていない相手。「精神面でも実力面でも磨きをかけて、来年こそは聖光に勝ってほしい」。夏の甲子園出場と「打倒聖光」の夢は、弟の優輝(1年)ら後輩に託した。(阿部二千翔)

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