「夏の聖光」復活!高校野球福島 名将の恐怖感...ナインが消した

 
3年ぶり17度目の優勝を決め、笑顔で応援席にあいさつする聖光学院ナイン=27日、ヨーク開成山スタジアム

 昨年の雪辱を果たし、"夏の王者"が再び頂点に登り詰めた。郡山市のヨーク開成山スタジアムで27日に行われた第104回全国高校野球選手権福島大会決勝。昨年の福島大会準々決勝で光南に敗れて、夏の甲子園連続出場が13で途切れた聖光学院はその悔しさをバネに練習を重ね、3年ぶりに聖地への切符をつかみ取った。

 「夏の甲子園は二度と行けない場所かもしれないという恐怖感があった」。斎藤智也監督(59)は、甲子園から遠のいた2年間を振り返った。1999年9月の監督就任から春夏22度甲子園に導いた名将も、目に見えない恐怖と闘っていた。「甲子園に行けなかったことであいた心の穴が、大きくならずに済んでよかった」。指揮官は安堵(あんど)する。

 王座奪還の鍵となったのは赤堀颯(はやと)主将(3年)だ。昨年の大会で先輩たちの敗戦を目の当たりにし「あんなに強い先輩が負けるなんて」と、衝撃を受ける中で新チームが始動。個々の技術を高めつつ、チーム力を高めていくことを目指した。

 ミーティングでは積極的に意見をし、チームをけん引。日本一だけを目指して、練習を積んできた。赤堀主将に影響を受けたナインは日本一を目指して奮闘。エースの佐山未来(3年)に昨秋の時点では「おんぶに抱っこだった」(赤堀主将)が、センバツを経てさらにチーム力を高めていった。

 春の大会では県大会で優勝し、東北大会も制覇。今大会も安定した戦いで、頂点に立った。「仲間に影響を与える力が尋常じゃない。本当に偉大な存在だった」。指揮官も認める。

 チーム一丸で頂点をつかみ、聖地へと向かう。「日本一に挑戦できる権利を得た。感謝の気持ちで戦いたい」と意気込む赤堀主将。甲子園に出場できなかった2年分の思いを背負い、王者聖光学院が甲子園で新たな歴史を刻む。

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