【総括・夏の福島大会】公立校の奮闘光る 聖光学院盤石の強さ

 

 連合1チームを含む69校68チームが出場した夏の福島大会は、優勝候補筆頭の第1シード聖光学院の優勝で幕を閉じた。聖光学院は昨秋の新チーム発足から県内の公式戦無敗と盤石の強さを見せつけた。

 公立校も奮闘した。準優勝の光南は、計2失策と堅い守備からリズムをつくった。4回戦と準々決勝、準決勝と接戦をものにし、決勝でも「粘りの野球」で王者を追い詰めた。田村は53年ぶりの4強と快進撃を見せた。南会津は29年ぶりの16強入りを果たした。

 田島、保原、二本松工は現校名最後の夏に挑んだ。いずれも2回戦で敗退したものの、最後まで白球を追い続けた。ノーシードから挑んだ昨夏の覇者日大東北は準々決勝で姿を消し、春の選抜高校野球大会に出場した只見は3回戦で涙をのんだ。

 前半戦では全36試合中、コールドゲームは18試合。大会を通して、延長戦となったのは2回戦で小名浜海星が4―3で延長十回に及ぶ本宮との熱戦をサヨナラで制した1試合のみだった。天候不良による試合の中断も相次いだ。最長は4回戦の光南―平工で3時間22分だった。

 開会式では3年ぶりに一斉行進が行われ、新型コロナウイルス禍前の「いつもの夏」の景色が戻りつつあった一方、複数の新型コロナ感染者が確認されたふたば未来が出場辞退した。今大会を振り返り、県高野連の木村保理事長は「今年の選抜に県内から2校が出場し、影響を受けたチームの奮起が目立った。聖光学院にはチームの持ち味を存分に発揮し、甲子園で頂点に立ってほしい」と話した。

 夏の甲子園は3年ぶりに一般客を入れて開催される。王座を奪還した聖光学院の飛躍に期待したい。(高校野球取材班)

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