最後まで挑戦者...試合通じ選手成長 松本主将がナインけん引

挑戦者として臨んだ夏が終わった。18日に甲子園球場で行われた全国高校野球選手権の準々決勝。聖光学院は北海(南北海道)に敗れ、涙をのんだ。全国の強豪校と比べ、中学野球で突出した成績を残した選手は決して多くない今年のチーム。学校初のベスト4進出は果たせなかったが、立派なベスト8だった。
「負けたくなかった。でも一球に食らいつく姿勢は示せた」。松本康希主将(3年)は「力がない」と言われながら成長したチームの思いを代弁した。
チームはこれまで険しい道をたどった。練習試合では負けが込んだ。投手を含めた守りが不安定で失点を重ね、追う展開に慣れてしまった。春の県大会は準決勝で敗退。斎藤智也監督が「甲子園に行く資格がない」とげきを飛ばしたこともあった。
選手たちはミーティングを繰り返した。特に、松本主将は厳しい口調だった。「負けて悔しくないのか」。ナインは「挑戦者」をテーマに掲げた。どんな相手、どんな試合展開でも最後まで全力を尽くす―。甲子園常連校の「おごり」を捨てたナインは初心に帰り、夏の県大会10連覇を果たした。
甲子園でもたくましさを増した。初戦の2回戦を逆転勝ち、3回戦は優勝候補の一角を崩した。斎藤監督は「チームは自分たちの弱さを認めてから強くなった。束になって戦えたのは成長の証し」とねぎらった。
「粘れない弱いチームが、9回最後の最後まで食らいつけるようになった。自分たちの野球をやり切れた」。身長168センチと野球選手としては小柄な松本主将は、誰よりも泥だらけになったユニホームで大きく胸を張った。
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